ボロージャのZUMZUMZUM

運命の皮肉

6月5日木曜日。

綿毛が舞うモスクワは強風。天気はきっと崩れるのだろう。
でもこの日は天気なんてどうでも良かった。少し緊張していたから。

11時からテストだった。

このテストは、ロシア連邦政府が非ロシア国民を対象に実施しているロシア語の国家試験(いわゆるТРКИ)。ロシア国籍を取得する際にも、このテストの国籍取得のためのレベルを合格する必要があります。科目は文法・読解・聴解・作文・会話の5科目。

テストを受けること自体に最初は乗り気じゃなかった。
でも自分に今何が足りないかを知るためには、
客観的尺度から自分のロシア語を見ないといけない―そう思って受験を決めた。

テストが始まったのは予定より30分遅れ。
1日目は文法と読解。

読解は嫌いじゃない。
テスト本番は、イルクーツクの歴史の話にロトマンの話、最後に小説がひとつあった。

この小説を見たとき、思わず笑顔になった。


・・・チンギス・アイトマートフだ!


正直驚いた。テストの問題に好きな作家の作品が使われるなんて。

彼は1928年生まれのキルギスの作家。父はキルギスの公務員。母はタタール人で、女優だった。父は1938年に粛清されている。チンギス・アイトマートフは1946年にキルギス農業大学(ビシュケク)に入学、卒業後しばし技師として働くも、文学の道を志してゴーリキー文学大学(モスクワ)に入学。
その後作家として作品が出版されるようになる。有名な作品は『ジャミーリャ』(1958)、『一世紀より長い一日』(1980年)など。邦訳も多く、『チンギス・ハンの白い雲』や『涙が星に変わるとき』とか図書館にありますよ、>外大生のみんな

昨夏に『涙が星に変わるとき』を読んで感動した記憶が、
テストの最中なのによみがえってきた。(テスト問題は全然違うテキストだったけどw)
そのせいかもう問題を解くというよりは、ただにやにや読書している感じだった。
テストの後友達に「テストの問題にアイトマートフでたー!!!」
とうきうきして語ったのに理解してもらえなかった。笑 そんなもんか。

作家として有名なだけでなく、ソ連崩壊後は在外の大使の職を歴任し、キルギス政治にも貢献した。息子は外務大臣だったらしい。

そんな彼は10日火曜日に腎不全で亡くなりました。
治療のために訪れていた、ドイツのニュルンベルクで。

入院していることは、ある方のブログを通じて知っていたのですが、
こんなに早く訃報を聞くとは思っても見なかったというのが正直なところです。

テストの問題に出たのは何だか偶然じゃない気がして不思議な気分。
帰国したら、また彼の本を手に取ろうと思います。


心から彼のご冥福をお祈りすると共に、
彼の作品がこれからも読みつがれていくことを願うばかりです。

コメント


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キルギスの作家の本も読んでるんやv-14
私はチンギスハーンしか知らないよv-8
なんかゆかちゃんが行ってからキルギスは勝手に身近な国になったから、その本読んでみたいわv-222
テストがんばれーv-218国家試験なのにその場で採点されるんやったけv-236

ももこ | URL | 2008年06月14日(Sat)09:55 [EDIT]


アイトマートフの国葬、行ってきたよー!!!!!
でもすんごい人で、中には入れんかった(;□;)
ので、TV中継で見送ったよ☆★

ゆか | URL | 2008年06月14日(Sat)18:37 [EDIT]


ももちゃん

図書館のロシア文学の棚にあって読んでみたのがきっかけで知ったの!なかなかいい作家のなので是非読んでー。

国家試験、数科目だけ結果即刻でたwあと1科目だけ結果まだでないー。適当すぎるw

ゆかちゃん

昨日は妙なメールごめんー!!いやーほんとその場の空気を感じられるなんてうらやましい。人いっぱいだったんだ・・・多くの人に愛されてたんだね。

きゃなめ | URL | 2008年06月15日(Sun)14:49 [EDIT]


 

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